1. 研究室ホームページ
    http://www.ar.sanken.osaka-u.ac.jp/"

  2. 研究組織
  3. 研究分担者氏名 元田 浩
    所属機関・部局・職 大阪大学産業科学研究所・教授
    現在の専門 人工知能
    学位 工学博士
    所属&アドレス: 〒567-0047 大阪府茨木市美穂が丘8-1
    大阪大学産業科学研究所
    電話番号 06-879-8540
    FAX番号 06-879-8544
    Email: motoda@sanken.osaka-u.ac.jp
    Cc Email List: Takashi Washio, washio@sanken.osaka-u.ac.jp

  4. 研究協力者
  5. 研究協力者氏名 鷲尾 隆
    所属機関・部局・職 大阪大学産業科学研究所・ 助教授 /TD>
    現在の専門 人工知能
    学位 工学博士
    所属&アドレス: 〒567-0047 大阪府茨木市美穂が丘8-1
    大阪大学産業科学研究所
    電話番号 06-879-8541
    FAX番号 06-879-8544
    Email: washio@sanken.osaka-u.ac.jp

    研究協力者氏名 堀内 匡
    所属機関・部局・職 大阪大学産業科学研究所・助手 /TD>
    現在の専門 人工知能
    学位 工学博士
    所属&アドレス: 〒567-0047 大阪府茨木市美穂が丘8-1
    大阪大学産業科学研究所
    電話番号 06-879-8542
    FAX番号 06-879-8544
    Email: horiuchi@sanken.osaka-u.ac.jp

  6. 研究課題

  7. 数値データからの第一原理法則式発見システムの研究

  8. 研究目的

  9. 未知の体系の実験データから系の特性を表現する普遍的な関係式を求めること は科学的法則発見と呼ばれ,古来,物理学者が英知をしぼり真理の探究に挑戦 して来た分野である.
    計算機による法則の自動発見の試みの多くは単なる実験式・経験式の候補を多数導出するレベルに留まっており,複雑な対象について普遍性を有する本来の意味での法則を発見できる実用的レベルには程遠い.
    本研究では実験的に得られる数値データについて様々な数量の関係を探索し,そ の中からある明確な基準によって高い普遍性が証明される関係を,法則として 自動的に発見するアルゴリズムを開発し,それに基づく実用的な法則発見シス テムを構築する.
    研究の第一段階では対象システムが単独の法則式で記述可能な場合についての理論を構築し,プロトタイプシステムを実装する.
    第2段階で対象システムが複数の法則式(連立方程式)で記述される場合に拡張する.
    連立方程式の構造を同定する部分を実装し,第一段階で開発したプロトタイプ システムと統合する.
    従来の手法では不可能であった多変数の多量のノイズを含む数値データからデータに埋没した法則を効率的に発見する実験を多数実施し,性能を評価する.

  10. 研究計画

  11. 系に関する個別の知識を利用しないで法則を機械的に発見することがどこまで 可能かを追求する.
    そのための手がかりとして,測定変量の尺度に関する情報 が与える数学的な制約と,次元解析の結果得られる式の構造に関する知見を利 用する.
    尺度としては比例尺度,間隔尺度,絶対尺度を考慮し,これらの間に 許される関係式が単位変換によっても保存される条件を求め,変数間に許容さ れる関係式一般形を導出する.
    さらに,恒等制約と呼ばれる制約式を用いて,変数を共有する2つ以上の既知の関係式が発見された場合にそれらを統合した関係式を導出する.
    これらの手法は対象の系が一つの法則式で記述される場合に,式の形を絞りこむための強力な制約となる.
    測定誤差の影響を極力排除し,法則式同定の精度を高めるため,許容式へのあてはめは2変数からはじめ,統計的検定をパスした意味のある塊を順次統合して行く方式を採用する.
    この方式の妥当性をプロトタイプシステムにて検討する.具体的な問題に適用し,過 去に実施された研究との性能を評価するとともに,過去の手法では解けなかっ た規模の問題が解けることを示す.
    扱える変数の数,ノイズレベルに対する許容度を定量的に評価する.この段階で所望の性能が確認されれば,対象の系が複数の法則で記述される場合への理論的拡張を実施する.
    尺度や次元解析の理論は連立方程式の構造に関しては何も言及していないので,連立方程式の構造に関する新しい理論を構築する必要がある.
    どの変数の値を制約すればどの変数の値が決まるかを実験で測定することによって,実際の系で変数の値がどのように決まっていくかを忠実に反映した構造方程式を構築するアルゴリズムを考案する.
    これを実装し,開発済みの一本の法則式を求めるプロトタイプシステムと組合わせ,連立方程式系に対応可能な第一原理法則式発見システムとしてまとめる.大規模化に対する実証実験を中心に多くの問題に適用し性能を評価する.
    その結果を元に計算効率をさらに向上させるために必要なアルゴリズムの改良を実施し,現実の大規模で複雑な問題が取り扱えるようにする.
    これまでの研究で,対象の系が一本の法則式で記述できる場合のプロトタイプシス テムが完成し,所望の成果を得ている.
    現在,連立方程式系へ拡張中であり,計算量に関しまだ壁があるが,一応の見通しを得ている.

  12. 発見科学に関する研究成果(開発ソフトウェアを含む)

  13. T. Washio and H. Motoda, ``Discovery of First Principle Based on Data-Driven Reasoning'', Proc. of the First Pacific-Asia Conference on Knowledge Discovery and Data Mining (PAKDD97), pp. 169-182 (1997)

    T. Washio and H. Motoda,``Discovering Admissible Models of Complex Systems Based on Scale-Types and Identity Constraints,'' Proc. of IJCAI'97: Fifteenth International Joint Conference on Artificial Intelligence, pp.810-817, Nagoya Congress Center, Nagoya, Japan (1997)

    T. Washio and H. Motoda, ``Discovery of First Principle Equations Based on Scale-Type-Based and Data-Driven Reasoning, Knowledge-Based Systems, Elsevier, Vol.10, No.7, pp.403-411 (1998)

    鷲尾 隆,元田 浩,``尺度の理論, '' 日本ファジー学会誌, Vol. 10, No. 3, pp.401-413 (1998)

    鷲尾 隆,元田 浩,``属性変量の尺度認知に基づく構成的法則発見手法”, 認知科学,Vol.5,No.2,pp.80-94 (1998)

    T. Washio and H. Motoda, ``Discovering Admissible Simultaneous Equations of Large Scale Systems, Proc. of AAAI-98, Fifteenth National Conference on Artificial Intelligence, pp.189-196 (1998)

    T. Washio and H. Motoda, ``Development of SDS2: Smart Discovery System for Simultaneous Equation Systems'', Discovery Science, Lecture Notes in Artificial Intelligence 1532, Springer, pp.352-363 (1998)