1. 研究室ホームページ
    http://www-lab26.cce.i.kyoto-u.ac.jp

  2. 研究組織
  3. 研究分担者氏名 笠原 禎也
    所属機関・部局・職 京都大学大学院情報学研究科 通信情報システム専攻・ 助手
    現在の専門 デジタル信号処理, 電波工学
    学位 博士(工学)
    所属&アドレス: 〒606-8501 京都市左京区吉田本町
    京都大学大学院情報学研究科 通信情報システム専攻
    電話番号 075-753-3365
    FAX番号 075-753-3342
    Email: kasahara@kuee.kyoto-u.ac.jp

  4. 研究協力者
  5. 研究協力者氏名 佐藤 亨
    所属機関・部局・職 京都大学大学院工学研究科建築学専攻・ 教授
    現在の専門 アルゴリズム
    学位 工学博士
    所属&アドレス: 〒606-8501 京都市左京区吉田本町
    京都大学大学院情報学研究科 通信情報システム専攻
    電話番号 075-753-3362
    FAX番号 075-753-3342
    Email: tsato@kuee.kyoto-u.ac.jp

    研究協力者氏名 後藤 由貴
    所属機関・部局・職 京都大学大学院情報学研究科 通信情報システム専攻・修士1年
    現在の専門 電波工学
    学位 工学士
    所属&アドレス: 〒606-8501 京都市左京区吉田本町
    京都大学大学院情報学研究科 通信情報システム専攻
    電話番号 075-753-3366
    FAX番号 075-753-3342
    Email: niitsu@aso.cce.i.kyoto-u.ac.jp

  6. 研究課題

  7. 科学衛星巨大データセットを用いた電磁波動現象の多次元発見的解析の研究

  8. 研究目的

  9. 地球近傍の宇宙空間は, 地球磁場によって閉じた磁気圏というプラズマ 領域を形成し, 荷電粒子と地球磁場の相互作用によって発生した電磁波や 電場が, 時には電波障害や人工衛星の故障などを引き起こす. 地球磁気圏 ダイナミクスの研究目的で, 現在, 世界各国で様々な衛星観測が行なわれて いるが, これら観測データ量は膨大なため, データを統括的に扱うことが 困難である. また, 対象とする物理現象は太陽活動・地球磁場ほか様々な 要因が複雑に関わる一方, 衛星は1点観測ゆえに時間・空間変化の切り分けが 困難なため, 因果関係が明瞭な特徴ある観測結果のみに研究が集中し, 多くのデータが手付かずのまま残されるのが各観測チーム共通の現状である.

    1989年に打ち上げられた「あけぼの」は現役の地球磁気圏観測衛星として, 磁場・電場・電波・プラズマ粒子などの観測を行なっている. 当研究グループはそのうち低周波の電磁波観測を担当し, 観測モードの選定, 取得データの解析を総括する. 磁気圏中にはプラズマに起因する様々な 電磁波動が存在するが, これらはそれぞれ発生過程でのプラズマダイナ ミクスや伝搬途上の媒質の情報を含んでおり, その発生・伝搬機構の解明は 磁気圏全体のグローバルな物理を知る重要な手がかりとなる.

    あけぼの衛星は, 今後さらに3年程度の運用が予定され, 過去10年間に, 全観測器から得られたデジタルデータは約1Tbyte, また低周波電磁波動は それ以外にアナログデータをオーディオテープ約20,000本分取得している. 太陽活動度の周期である11年目を迎え, これら全観測データを活用した 新たな知見の習得が急務である. 本研究課題では, スペクトルの特徴解析に 基づく分類と, インテリジェントな多次元発見的解析アルゴリズムの開発により, 長期観測で得た巨大データセットから太陽活動度・地磁場活動・高度・緯度・ ローカルタイム・季節など各種パラメータに依存する電磁波現象の 特性を広汎な時間スケールで多次元相関解析し, 従来の理論では予想 できなかった磁気圏物理量間の因果関係などの知識発見を行なうことをめざす.

  10. 研究計画

  11. 1. 大量データ解析システムの構築
    現在までにあけぼの衛星によって得られた大量の観測生データは, いずれも磁気テープに保存されており, 現在はデータを逐一磁気ディスクに ロードし, 解析用途に応じた一次処理を経たのちに, 本来の解析が行なわれる.

    この方法を効率化するため, 全観測期間のデータを一次レベルデータとして オンライン化する. 現実的にオンラインで保存可能で, かつ様々な解析に 必要十分な一次処理データの形式を検討し, このデータ形式を 磁気テープに納められた生データから流れ作業的に抜き出し, オンラインデータベースに登録するシステムを構築する.

    2. 波動スペクトルの特徴抽出アルゴリズムの開発 磁気圏内で観測される波動現象は, その発生機構や伝搬特性に応じて, 様々な種類に分類できる. 一次処理されたオンラインデータを元に, スペクトルの特徴を効率よくとらえ波動の分別を自動的に行なうための アルゴリズムを開発する.

    3. 他観測機で得られたキーパラメータ参照システムの開発 得られた数多くの波動データの一括統計処理には, 太陽活動度・地磁場活動・ 電子およびイオンのエネルギーとピッチ角分布, イオンの組成比など, 他観測器によって得られた数多くのキーパラメータが必要となる. これらのキーパラメータに加え, 季節・観測高度・観測緯度・ ローカルタイムなどの要素を加えた多次元情報を参照しながら波動データの 統計解析を行なうための計算機システムの開発を行なう.

    最後に, 開発されたスペクトルの特徴抽出アルゴリズムを元に, オンライン化された過去10年計約 30,000 軌道にわたる一次処理データから, 各種波動現象の観測インデックスを作成する.

    1太陽周期にわたる長期観測データをもとに, 波動の活動度の各種パラメータ に対する依存性や, 波動活動の経年変化, さらには波動分布に基づく 地球磁気圏の構造変化について, 計算機の力による知識発見を行ない, 結果を考察する.

  12. 発見科学に関する研究成果(開発ソフトウェアを含む)

  13. 1. Yoshiya Kasahara, Tomohisa Hosoda, Takayuki Nakano, Iwane Kimura, Toshifumi Mukai,
    ELF/VLF Waves Correlated with Low Energy Particles Observed by Akebono Satellite,
    Proc. of the 5th International School/Symposium for Space Simulations, 1997,, pp.32-35.